アラサー高学歴ニートの軌跡

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大食い女王決定戦2018 感想&考察(ネタバレあり)

(2018年9月19日加筆修正)

2018年9月17日20時からテレビ東京系で放映された、大食い女王決定戦2018について色々語ります。番組スタッフの意図についての考察もしております。

 

目次

 

一回戦「築地最後のマグロ丼対決」

 

20名中、より多く食べた上位12名が二回戦進出。重量は公開されなかったが、最速がアンジェラ佐藤の1分16秒だった点や丼の底が選手の手の平より大きかった点を考慮すると、相当重量がありそう。飯の色が醤油で茶色く染まっており、味は相当濃いはず。柔らかい具材ばかりだと思われるが、マグロの上に大根の薄切りが載っていた。後半では大根の歯ごたえが強敵となっただろう。マグロ丼はご飯ものだけにもっと早くかつ多く食べられそうだが、量の多さ、味付けの濃さ、大根の歯ごたえ、さらに船の上という不規則に揺れる環境のせいか選手たちの箸は予想以上に進まなかった。

 

正司がまさかの敗退。ほとんど映らなかった選手が多数いた。事前番組も含め、仁井田(他にも多数)が全く取り上げられずにひっそりと敗退したのは疑問が残った。菅原&アンジェラ&正司 対 大塚&小野姉妹ばかりにインタビューしまくり、新旧世代対決を前面に押し出す構成となっていた。また、短い制限時間や濃い味付け、マグロ以外の具材、揺れる船上といった要素でマグロの消費量を少しでも抑えようという意図も見受けられた。20人の参加者のうち相当数が背景と化していた点を踏まえると、参加者を絞った方が意図した結果を得られただろう。

 

幕間「ホテルでの弁当」

 

マグロ丼が胃に溜まっているのに、どの選手もお弁当を3つ以上受け取って部屋に戻っていった。アンジェラは5つも弁当をお持ち帰りしており、改めてその大食いっぷりに驚嘆した。

 

二回戦「立ち退き寸前 ラーメン対決」

 

戦う前に小野姉妹の妹あこの歯が折れるというハプニングがあった。ポップコーンには固い粒もあるとはいえ、歯が折れるのは異例の事態。胃酸で相当歯がもろくなっていたのだろう。過食嘔吐か?

 

12名中、より多く食べた上位8名が三回戦進出。チャーシューと煮卵、チンゲン菜のシンプルな構成。ラーメンの具材にチンゲン菜が入っているのは珍しい。

 

一回戦に引き続き、菅原とアンジェラが抜け出す展開。菅原が箸を二本使い麺をより多く冷まし、食べる方でない箸で麺のとろみをそぎ落とす作戦に出た。三宅が後ろにひっくり返りそうになったのは、熱中症のせいだろうか。菅原が珍しく箸を止めたのも印象的。小野姉妹や如月が汗ひとつ見せなかった一方、菅原は汗だくだった。服装の差もあるだろうが、座る席により冷房の当たりに相当な差があった模様。座る席で勝敗が左右れるのは不公平だが、予想外の結果を演出するにはもってこいだろう。菅原が鼻水を拭く余裕すら見せなかったのは意外。参加選手のうち、如月、大畑、高橋、池田の紹介がなく大食い選手権初心者に不親切だった。

 

小野かことアンジェラが一位通過。菅原は苦戦し、4位。三宅がまさかの脱落。菅原が二回戦後にインタビューに答えていたが、小野姉妹をライバルと認めるなどすっかり丸くなった印象。

 

三回戦「猛暑で出荷不可!?レタス対決」

 

大食いとしては史上初のレタスが三回戦の食材となった。8名中、より多く食べた上位5名が準決勝進出。レタスはカサが多いため、鍋で煮込んでカサを減らすのが基本戦略となる。走ってレタスを取りに行くのは斬新だが、小野姉妹に有利なルールという印象。また、レタスの大きさに個体差がある点で不公平感がある。大食い史上初の食材なので、新人ベテラン双方にノウハウはなく平等に戦える点は面白い。

 

最速は、一玉3分26秒の菅原。ロシアンが煮込んで熱くなっているレタスを生のレタスに包んで冷ます作戦を披露、一時はトップに立った。テレビで触れられていなかったが、レタスを細かくちぎって鍋に入れたのもポイント。火が通りやすくなり、より早くカサを減らせるためである。胃の容量が余裕にも関わらず動きが止まっていた如月だが、顎が疲れてしまったせいだろうか。

 

アンジェラ、菅原、ロシアン、小野姉妹が通過。大畑、如月、高橋は敗退。

 

 

 

準決勝「喰って救え!絶メシマラソン対決」

 

飲食店の名物メニューを1軒完食するごとにタクシーで移動、より早く6軒分のメニューを完食した上位3名が決勝進出。ちなみに舞台は高崎市である。満腹になった後半のタクシー移動はキツそうだし、信号待ちの影響を考えると運要素も重要になってくる。

 

1軒目はチキンカツ定食。2軒目は餃子40個。3軒目は焼きまんじゅう12本だが、味噌ダレが大量にかかっている上、量も明らかに多く見るからにキツそう。1本に普通のまんじゅうが4個付いているような感じである。4軒目はカレーライス。菅原に遅れて3分後に出発したアンジェラが3分半後に到着。予想通り、信号待ちの影響がわずかにあった。菅原がカレーライス完食に4分以上かかっている点を考えると、相当熱かったと思われる。アンジェラは二本スプーンを持ち、片方でカレーを冷ましながら食べる作戦を展開、3分半で完食した。ロシアンは3分半。小野姉妹は2分半。5軒目はハンバーグミートスパ。6軒目は塩ちゃんこ鍋2人前。ロシアンがおたまの上にあげを載せて冷ます作戦を展開、小野姉妹も真似した。

 

菅原、アンジェラ、ロシアンが決勝進出。小野姉妹は残念ながら敗退。

 

決勝「47都道府県ご飯のお供対決」

 

1都道府県ごとに1杯150グラムのご飯と名物ご飯のお供を食べて行き、より多く食べた者が優勝。大食い決勝戦として斬新であり、新鮮だった。47都道府県の名物ご飯のお供を、ざっとでいいから紹介する時間があればなお良かった。

 

ロシアンが、お米は水分で膨らむから出来るだけ水分を取らないよう、マイペースに食べ進めていた。これまでの戦いでも独自の作戦を展開しており、賢い印象。菅原が終始先行するが、水分の取りすぎが影響したためかアンジェラに38番目の愛媛県で追いつかれてしまった。

 

アンジェラと菅原は双方40杯完食。ビデオ判定の結果、わずか一口差でアンジェラが優勝した。菅原が水分摂取を抑えていれば優勝できた可能性はあっただろう。しかしながら、「菅原は水分を取りすぎているからいずれ落ちてくる」と読んだアンジェラが勝利したのは必然に思える。

 

ロシアンは予想以上に差を付けられたが、水分摂取を必要以上に抑えたのが原因だろう。水分を控えすぎると胃の動きが止まってしまい、食物が腸に流れにくくなる。すなわち、水分を過度に控えすぎるとかえって食べられる量が減ってしまうのだ。

 

結論

 

「日本を元気にする」という今回のテーマは、選ばれた食材それぞれにひしひしと感じられた。僕が特に印象に残ったのは、高崎市内の絶滅危惧メシ6種だった。「あんなに美味しそうなのに、もう食べられなくなってしまうかもしれない。」視聴者に、日本全国で発生している後継者不足問題を喚起する意図が感じられた。

 

極めて真摯に社会派の番組作りがされており、新時代の大食い番組として最高だったと思う。不公平感は多少あったが、ヤラセ感は全くなく最初から最後まで楽しく観れた。せっかく20人もの参加者を集められたのだから、一人一人の簡単な紹介をするべきだったとは思う。

 

アンジェラが優勝した要因

 

女性に負けたことがなかった菅原に、アンジェラが勝利を収めた。新時代を感じさせたが、この項でアンジェラ優勝の要因を考察してみたい。

 

1、菅原の高齢による衰え

 

アンジェラも43歳だが、菅原はもう54歳である。いくら菅原が強かったとはいえ、さすがの菅原にも衰えは見られた。穏やかになった印象もあるが、全体を通して顔色があまり良くなかった。途中で箸を置くシーンが何回かあった。二回戦のラーメンや、決勝のご飯対決では、垂れた鼻水を気にする様子すら見せなかった。それだけ余裕がなくなっていたのは確かだろう。余裕のなさは菅原自身が加齢による衰えを感じ、アンジェラと実力差が縮まったと悟っていたからか。

 

2、決勝戦で水分摂取を抑えた

 

ロシアンが言っていたように、アンジェラも米が胃の中で水分を吸って膨らむのは知っていたのだろう。菅原が大量に水分を摂取しているのが目に付いたのも、アンジェラが水分摂取を抑えていたためだろう。