アラサー高学歴ニートの軌跡

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大食い女王決定戦2019 感想&考察(ネタバレあり)

2019年5月1日18時55分からテレビ東京系で放映された、大食い女王決定戦2019について色々語ります。番組スタッフの意図についての考察もしております。

 

目次

一回戦「日本一の濃厚中華そば対決」

制限時間が一回戦にしては長めの60分である。8名中、より多く食べた上位4名が二回戦進出。前回より出場者数が12人も減った。予算削減のためか。二時間待ちは当たり前の「日本一の中華そば」という触れ込みだが、一回戦からラーメンとはこれいかに。やけど防止の名目でスープを残すことが許されているが、実際は選手の食塩取り過ぎの防止が真の目的だろう。(食塩の致死量は最も低く見積もって30グラムと意外に少なめである)。麺は極太で厚切りのチャーシュー付きしかも熱々という難条件だが、最速が小野姉妹の2杯を2分だった点を考慮すると案外食べやすかったようだ。小籠包新記録達成シーンが二度も放映されたり、藤原だけ幼少期のエピソードが語られたり、ギャル曽根の記録を抜いたとはいえ藤原を少々クローズアップしすぎである。小野姉妹が2枠埋めるのはほぼ確実なので、せっかく発掘した新人の出場枠が狭まってしまう。二回戦進出枠の4は明らかに絞りすぎだ。

 

二回戦進出は安定の小野姉妹、藤原、大塚。「飽きちゃった」発言からまさかの敗退が予想された藤原だが、番組の期待通りきっちり二回戦進出した。扱いの差はあれど全員の紹介シーンがあり、前回より平等な印象。

 

幕間「大食いスターVS超デカ盛り」 

本筋の大食い女王決定戦の薄さを補うためか、よくあるバラエティー番組のような幕間が挿入された。

 

1、もえあずVSチャーシュー丸ごと載せ令和飯

チャーハン4人前の上に中華麺ナポリタン3人前を掛け、さらに一本800グラムの丸ごとチャーシューを載せた令和飯を、60分で完食できるかを競う。重量は4キロと完食者ゼロのデカ盛りにしては軽めだが、丸ごとチャーシューの硬さが異常であり非常に難しいメニューである。しかし、もえあずはチャーシューを平らげると炭水化物系もあっさり完食。この後ロケ弁食べると豪語していることから、やはり重量が物足りなかったか。余談だが、もえあずの隣で食べてた男の紹介がなかったため彼の出場意義についてしばし考えてしまった。

 

2、ラスカルVS超絶タワーかき揚げ丼

なんと1枚100グラムのかき揚げが45枚も載っている。ご飯は3合だが、量が判明したのは終盤に入ってからだった。天丼のタレは甘いもの発言があり、ラスカルのユーモアセンスが光った。つーかいつの間にラスカル金髪にしてたんやな。揚げ物4キロ半はさすがにキツかったのか、制限時間60分ギリギリでラスカル完食。

 

3、MAX鈴木VS国内最強の巨大豚丼

様々な肉系のおかずを4キロのご飯に載せ、さらに味噌汁と生卵6個が付いて合計重量は7キロ。唯一苦戦した激辛肉にはマヨネーズと生卵で立ち向かった。制限時間は60だったはずだが、わずか33分で完食。やはりMAX鈴木は別格だった。

 

二回戦「沼津デカ盛り港めし3品対決」

またデカ盛りかよ、と皆様もお思いになったことであろう。幕間のデカ盛り対決に続き、さらにデカ盛りという構成には疑問を感じる。とはいえ、制限時間60分でデカ盛り3品を完食させるのは新趣向であり、大食いのマンネリ化を危惧したスタッフの思惑がうかがえる。

 

1品目は50カン2キロの寿司。シャリの量は普通だが、ネタが15センチと贅沢仕様である。寿司を非常に得意とする大塚が先行。開始から10分経過後、選手たちが一斉にお茶を注文。外が寒いからだが、野外戦の是非が問われるところではある。ただ、前回の二回戦は座る席によって冷房の当たり具合に大差が生じて勝敗が左右されたと思われるので、一長一短なのは確かである。

 

2品目は特大かき揚げ丼。かき揚げがタワー状になっており、見た目は良いが食べ難い。1杯750グラムを2杯食べる。大好きなかき揚げを見て、出遅れていた藤原が一気にペースを上げた。小野姉が味噌汁の旨さに驚くあたり、余裕が見えた。小野妹がご飯から先に食べる作戦を見せたが、先にかき揚げを食べてかき揚げの油をご飯で中和した方が良いと思った。しかし、小野妹もかき揚げが大好きなので好物を後回しにしたとのこと。それなら納得である。

 

3品目は2キロのご飯の上に10種類の刺身を載せた巨大海鮮丼。小野妹が刺身を先に食べる作戦を選択。硬い刺身と柔らかいご飯の組み合わせは意外と顎を酷使するので、硬い刺身を先に食べ柔らかいご飯は後で飲み込もうという思惑か。

 

赤坂譲りの作戦が決まった小野妹が決勝戦に進出した。同じ大きさならご飯より刺身のほうが重いので、計量勝負という側面からもやはり刺身から食うのが正解だったようだ。四天王全員がシードで三回戦から登場するかと思いきや、まさかの対戦相手指名シーン。小野妹は果敢にも菅原を指名。本日これまでの放送で一番盛り上がったシーンだった。小野妹が指定したメニューはラーメン。どこか、スタッフの指示を感じさせる。

 

 

 

幕間2「大食いで日本を元気に!」 

大食いで日本を元気に!というコンセプトは良いが、大食い女王決定戦という本筋からは外れている感がある。やはり、これだけで番組を構成した方が良い。いろんな店を紹介できるし。

 

カツカレーの色合いが実に良い。1000円近い値段設定も納得である。 

 

しろきや自体は良い店だと思うし、コーナー全体がのどかで良い雰囲気だった。ただ、大食い女王決定戦という本筋がお昼のまったりバラエティーのノリで台無しになった感は否定しがたい。せっかくの町おこし企画なんだから、桐生市を大食い女王決定戦の舞台にすべきだった。

 

決勝「ラーメンで頂上決戦!」

大食い女王決定戦の薄さをごまかすためか、二回戦までの模様のハイライトが長めに放映された。

 

1杯8人前ラーメンが決勝のメニュー。麺がいつもの8倍あるので、麺がスープを吸いまくること必至である。少しでも麺に吸われるスープを減らした方が有利なので、先行した方が勝つだろう。喉がいつもの決勝以上に乾くだろうから、水分摂取も勝敗のポイントになるだろう。

 

いつも以上にCMが長く感じられた。1杯2キロのラーメンを3杯食べた菅原が初めて心からの苦悶の表情を見せた。筆者は菅原登場以前から大食い選手権の大ファンだが、ほぼ毎回圧倒的強さを見せてきた菅原としては極めて異例のことだった。頭から水を滴らせながら食べ続ける菅原はおそらく今までで一番本気だった。結果は小野妹の残量が2946グラムで菅原は2510グラム。菅原の勝利で幕を閉じた。

 

結論

前回は極めて真摯に社会派の番組作りがされていたが、今回は予算カットのあおりを大いに食らってしまった印象だ。前回あまりにも多すぎた出場者を8人にまで減らしたのは良かったが、一回戦の脱落者を4人とかなり多めに設定したのは失敗だった。これまでの実績から小野姉妹の突破はほぼ確実なため、せっかく全国各地から集めてきた新人の活躍機会を狭めてしまうのは分かっていたはずだ。新人が思ったほど集まらなかったとしても、せめて一回戦は突破条件を緩やかにして色んな選手の色んな側面を見せて欲しかった。出場者を大幅に減らした分食費は大幅に削減できたが、その分結果が早々に見えてしまいつまらなくなってしまった。つまらなくなった分をデカ盛り対決や大食いで日本を元気にする企画で埋め合わせようとしたが、真剣勝負に水を差す形となり茶番感が漂うばかりだった。

 

菅原アンジェラロシアンもえあずの四天王を三回戦から登場させて食費を大幅に浮かせようとしたのか、と思った。だが錯覚だった。四天王のうち実際に三回戦(決勝)に進むのは一人だけ。予想以上に予算を削りに来た。しかも、1杯8人前ラーメンという大食い選手権でもまれに見るスープ節約メニュー。毎回スープが捨てられるのは勿体ないし、スタジオの中でスープを捨てるのも難しいだろうから妥当な措置ではある。だがどこか納得できなかった。今回選ばれなかったアンジェラともえあずには代替措置として、大食いの機会が与えられた。が、ロシアンには一切なかった。四天王の中で扱いに格差があるのはやむをえまい。ただ、過度に予算を削りすぎて番組本来の面白さが大いに損なわれてしまったのは事実である。