アラサー高学歴ニートの軌跡

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高校生クイズ2018を見た感想&考察。(ネタバレあり。)

(2018年9月17日加筆修正)

2018年9月14日21時から日本テレビ系で放映された、第38回全国高等学校クイズ選手権 高校生クイズ2018について色々語ります。

 

目次

 

地方予選

 

全カット。理由は不明だが、地方予選が丸ごとカットされていた。今回の放映時間は2時間半弱と短めだからだろうか。(ちなみに、今回は1チーム3人です。)

 

全国大会一回戦「各種地頭力クイズ」

 

(※5段階評価 数値が高いほど重要。上3つは知力と同じ。)

地頭力  5

知識力  4

閃き   4

体力   0

時の運  2

 

雷門や土俵を通過できるかは知識力や想像力

おかしいところ探しは常識力と注意力

人々を救った粋なアイデアは知識力や閃き

ハイパードローンクイズは知識力

が問われていたように思う。

 

地頭力を問うと言いながら、実質的に知識を問う問題が多かったと思われる。

 

通過できるかクイズは、直感力というより空間的想像力を問う問題だったと思われる。また、知識があれば正解しやすい問題でもあった。(実際には知識がなくとも、想像力で正解は可能。)雷門の高さは千鳥の二人の身長からある程度類推できるが、大相撲の土俵は実際にその面積を知っている者が有利になっただろう。

 

おかしいところ探しでお手つきを1回ごとにマイナス20点は結構キツい。言われてみれば一発で分かる箇所が正解になっている傾向があったが、相当な注意力や常識力が必要とされ意外と難しい。

 

人々を救ったアイデアは、問題の難易度に比して正解チームが多かった。類推力があるチームが多かったというより、チームの誰かが世界のニュースに詳しくて事前に正解を知っていたような印象があった。

 

ハイパードローンクイズは、1問目は小樽運河を知っているかどうかを問うクイズ、2問目も世界遺産の松島の所在地及び牡蠣を養殖している県を問うクイズだった。ここは単純に知識を問うセクションだった。

 

全国大会二回戦「タイヤを早く運べ」

 

地頭力  4

知識力  1

閃き   4

体力   5

時の運  0

 

二回戦は、340㎏分のタイヤを30m先まで早く運べ!である。体力とひらめき、そして本番での切り替え力が試された。泣き虫女子の大和ちゃんや、矢島先生、やたらと声の高い男子といったユニークなキャラも多数登場し華やかであった。台とポールで車を作った甲府南がアイデア賞で勝ち抜け。

 

全国大会幕間戦「ゲリラクイズ」

 

地頭力  4

知識力  5

閃き   3

体力   0

時の運  2 

 

選手たちの宿泊するホテルで突如開催されたクイズ。1日経てばどうなっているか、という質問が7題用意された模様。放映されたのはわずか1問で、かいわれ大根の「重力に対する負の走力性」を知っているかを問う知識問題だった。幕間で初めて、敗退校の本荘と米沢興譲館がわずかに映った。

 

全国大会三回戦「パネルを全部白にしろ」

 

地頭力  4

知識力  0

閃き     5

体力   1

時の運    4

 

三回戦は、5×5の赤白混じりのパネルを全部白にするクイズ。縦が2枚で横は何枚でもオッケーの赤パネル製の長方形をいかに早く作るかの勝負と思われたが、赤パネルを一筆描きで消せる形にできるかという勝負だった。必勝パターンを、緊張する状況でどれだけ早く閃くかが試された。閃きだけでなく、冷静さも重要なステージ。最初に赤いパネルがどう並ぶか、という運の要素も大きかったと思われる。

 

 

全国大会四回戦「共通する法則を選べ!」

 

地頭力  5

知識力  2

閃き   5

体力   0

時の運  5

 

正解するたびに増えていくキーワードをヒントに法則を考え、更に正解を導いていくステージ。問題は5校違うが、どれも法則を見つける難易度は非常に高く難易度の差はほとんどなかったと思われる。2択及び3択という問題の性質上、法則が分からずとも運だけで突破したチームもいた。法則が分からなければ一人犠牲になって他の二人にヒントを与えるという判断が出来れば、突破はより簡単になったようだ。函館ラサールだけカットされたのが不公平だが、絵面の問題だろうか。

 

全国大会準決勝「浮いた200個の風船を早く割れ」

 

地頭力  5 

知識力  5

閃き   1

体力   2

時の運  2

 

準決勝は、文房具店に売っている商品だけで独自の道具を作り、200個の風船を早く割った3チームが勝ち抜けるステージ。回転する剣山を作り、風船を一気に大量に割っていこうとしたチームが目立った。一方、桜丘は風船がゴムでできていることに着目し、ゴムを剥がすスプレーを噴射しまくる化学的戦法で圧勝。ゴムの性質を知っているかどうかという知識要素が勝負を分けたのは、番組の趣旨としてどうだろうか。

 

全国大会決勝「5mの壁の向こうに早くたどり着け!」

 

地頭力  5

知識力  4

閃き   5

体力   0

時の運  0

 

用意された道具を使って、誰か一人でも5メートルの発泡スチロールの壁を一番早く越えたチームが優勝。桜ヶ丘高校が衝撃の38秒クリアを見せてくれた。謎の爆発音がしたが、化学的要素は皆無だった。5メートルの竹棒を前後から一人ずつ支え、一人が登り、丸くなっている頂上付近で体を横に倒し体の重心を反対側に持っていき突破。体力がなくても、アイデア次第で簡単に突破できるステージだった。しかし、そのアイデアに至るのがとても難しい。

 

結論

 

高校生クイズにやらせ疑惑はつきものだったが、今回はやらせの余地がほとんど皆無の実力勝負だった。大和ちゃんという、例年なら所属チームが謎の優遇を受けそうなチームも三回戦であっさりと敗退しており極めてクリーンな大会だった。函館ラサールが少々不遇だったが。

 

今回は地頭力を問うという趣旨だったが、実際には知識力がものをいう場面が目立ったように思われる。形式は大幅に変わったが、今まで通りクイズ的な知識は必要だぞという番組のメッセージが感じられる。一方、その場の閃きが勝負を決する場面も目立っていた。もちろん、事前に謳った通り地頭力が勝負を分ける場面も多かった。一見地頭力と思いきや、実は閃きと言った方が正確な場面も多かったとも思う。いかに土壇場で閃けるかが地頭力の真骨頂、今大会の隠れたメッセージとしてはなかなかセンスが良い。用意された道具を使ってタイヤを運んだり風船を壊したり壁を越えたり、ロボコンを彷彿とさせる工作的要素が強かった。横浜サイエンスフロンティア高校を除いて、去年までの高校生クイズでも勝ち残っていそうな高校が何だかんだ勝ち進んでいるのも大変興味深かった。クイズが強い者は、工作にも強いのだろうか。

 

桜丘高校が連覇した要因

 

去年に引き続き、桜丘高校が優勝した。優勝した桜丘高校の偏差値は44である。去年より偏差値が3上がっている。しかしながら、二年連続でこの偏差値の高校が優勝したのは異例の事態だろう。優勝した要因は、打倒ラサールを志しわざわざラサールから桜丘に転校してきた東兄弟の執念だろうか。過去のどの高校生クイズとも傾向が違い、対応は難しかっただろう。それでも、今までの高校生クイズで問われてきた知識力がモノを言う場面は多かったのは事実である。また、ラサール出身ともなれば閃きや地頭力の高さといった地力もあるだろう。

 

桜丘高校の連覇は何ら想定外ではなく、必然だったのだ。