2018年11月20日19時からテレビ朝日系で放映された「林修の今でしょ!講座 3時間スペシャル」を偏執的(パラノイアック)なくらい実況&分析します。未視聴者でも十分楽しめる内容だと自負しております。
目次
- オープニング「導入」
- みかん編
- みかんの重要ポイントまとめ
- おでん編
- 免疫力アップが期待出来るおでんの食べ方
- おでんのまとめ
- 未視聴者向け これだけは抑えてくれ
- 余談:CMが挿入されたタイミングに関する考察
オープニング「導入」
みかんが成人病予防に効果がある、みかんの選び方、みかん食べて長寿に、など今回の放送の要点を予告し、視聴者の興味を引く仕掛けとなっていた。
みかん編
1日◯個のみかんが血管を老けさせない!?
答えは3個。
林修先生をはじめとしたスタジオ解答者がクイズの答えをフリップに書くという、視聴者を焦らして興味を引く仕掛けは定番だ。答えにたどり着くまで放送開始から10分ほど掛かっており、テレビが5分で分かる内容を1時間かけて放送しているという批判通りの構成になっていた。余興として、林先生たちがみかんを実際に食べるシーンもあった。
名医の喋り方がゆっくりなので、ながら見でも内容が頭に入ってくる。言い換えると忙しい現代人に優しいしゃべり方である。
βクリプトキサンチンの効果
1、加齢による血管のサビを防ぐ
2、糖尿病発症リスクを減らせる。
βクリプトキサンチンの血中濃度を最適値に保つため、1日3個食べる必要があると説明があった。糖分の取りすぎにもなりませんよ、とフォローも忘れない名医。
他の柑橘類のβクリプトキサンチンの含有量も紹介され、知的好奇心の高い視聴者層にも対応していた。ポンカンがみかんの半分ほどと比較的多かった。
栄養豊富なのは?甘いみかんorすっぱいみかん
答えは甘いみかん。
どちらが栄養豊富なのか、街の皆さんに聞くという茶番タイムを挟む。ここで17分経過し、初のCM突入。2分ほど経って、林先生たちに例のクイズを出した。早く答え教えろや。
βクリプトキサンチンは甘いほど増える
とグラフで提示された。実験データに使われた個数が数十個なので、信憑性は如何なものか。
甘いみかんの選び方
19時22分頃から開始。またしても街の皆さんの意見を伺うという茶番。
ヘタの丸い部分は軸
皮はしわしわの方が甘い
という前提知識が示され、軸が細い、軸が太い 、皮がシワシワのどれが一番甘いかを例のスタジオクイズでやった。
24分経過しCM突入、2分後再開。
答えの発表は実際の糖度測定で。
軸が細い 10.7
軸が太い 8.7
細い方が甘い。「軸が太いと、水分がみかんに大量に運ばれ甘さが減る。水分があまりみかんに行ってないと、みかん自身が糖を作り甘くなる。」とメカニズムの説明があったが、理由の説明を一般的視聴者が求めているかは正直疑問である。
「みかんが下向きに付いていると、軸に負担がかからず細くなる。みかんが上向きに付いていると、軸に負担がかかり太くなる。」とさらに詳しくメカニズムを説明する。知的好奇心が高い層にも飽きさせない。
皮がシワシワ 13.1
皮がシワシワのみかんが一番甘かった。皮がシワシワかつ軸が細いみかんの糖度測定がされておらず、理科の実験として不十分なのは残念だった。
「夏場の成長期に水分不足が続くと皮にまで水分がいかずシワシワになり、みかん自身が糖分をますます多く作る」と理由説明がされた。
みかんの選び方結論
皮がシワシワかつ、軸(ヘタの丸い部分)が細いのがいい。箱で買うなら、秀か優を選ぼう。選び方に11分かけており、水増し感を否定しがたい。
みかんを食べるタイミングは?
またしてもクイズ。食事の後か、運動の後か。
正解は、食事の後。
βクリプトキサンチンは脂溶性で、食事で取った脂に溶けて吸収されやすいからである。サラダに入れるのもオススメで、ドレッシングの脂に溶けやすいと追加解説。
朝昼晩の食後にみかんを1個ずつ食べろ
とアドバイス。アーユルヴェーダによると、食後に果物を摂ると果物が胃に長時間とどまってしまい果物が腐敗してしまうからアカンそうだが。
βクリプトキサンチンは焼くと壊れるので、冷凍の方まだマシだそうだ。
みかんを食べると手が黄色くなるのは、柑皮症。βクリプトキサンチンをよく吸収している証拠だから良いと。
生活習慣病を防ぐ!食べ方&選び方
43分経過。CMへ。2分経過。
骨粗しょう症は毎日3個以上みかんを食べると92パーセントリスクを減らせる。のだが、βクリプトキサンチンの効果として糖尿病リスク低減と一緒に紹介すれば良いと思った。
「βクリプトキサンチンは骨の破壊を防ぐ。骨は維持のため破壊と再生を繰り返しているが、加齢により破壊する細胞が増えてしまう。破壊細胞を抑えるのがβクリプトキサンチン。」とメカニズムの説明があった。
骨を丈夫にするために
βクリプトキサンチンは骨の破壊を防ぐ。
ビタミンC。
骨を老けさせない食べ合わせ。
51分経過しCM突入、2分後再開。
ビタミンCはカルシウムと一緒に撮ると骨が丈夫になる。ヨーグルトや牛乳の脂でβクリプトキサンチン吸収しやすくなるため、一緒に食べるといい。
みかんの筋は取るな。
みかんの筋を取るか、でまたも街の皆さんに調査をするとは。尺伸ばしに見えてしまう。若者は取ってる。でも元気な高齢者は筋を残している。じいさんたちがみかんを頬張るシーンもあった。
みかんの筋は冷え性改善に役立つ。白い筋はポリフェノールの一種で、毛細血管の壁を強くするヘスペリジン。毛細血管が強くなると、全身の血流が良くなり、冷え性改善が期待できる。
ここから検証。ヘスペリジンをサプリメントとして取った後、手を水につける実験。15分で体温が水につける前と同じくらいになった。なぜみかん本体ではなく、サプリメントとして取ったかは謎である。
みかんは風邪の予防にも良い。ヘスペリジンが体温とともに免疫力を上げるからだ。筋や甘皮には果肉の40倍もヘスペリジンが含まれている。
みかんは◯向きに並べて鮮度を保つ
みかんを上向きに置くか、下向きに置くかでクイズ。
正解は、ヘタを下向きに置く。理由は、水分が飛びにくいから。ヘタから水分が蒸発しやすいから、ヘタを下向きにして水分の蒸発を防いで長持ちさせる。
ここまでで66分も経過している。
林先生によるまとめ
1、みかんは下向きに置く
2、白い筋も一緒に食べろ
3、1日3個食べろ
ぶっちゃけ覚えれば良い知識は以上だけではと思うのは俺だけか?
みかんの皮を◯◯だけで肥満改善が期待できる
陳皮。みかんの皮を乾燥させた、漢方薬に用いられる材料。消化不良、胃酸過多、風邪に効く。
またクイズ。正解は、嗅ぐ。
理由は、みかんの香り成分リモネンが嗅ぐだけで肥満を防げるから。リモネンを嗅ぐと褐色脂肪細胞を司る交感神経が興奮し、代謝が促進され、脂肪分解が促進される。
みかんの皮を風呂に浮かべる、皮を干してお茶にする、といったテクの紹介もあった。
みかんの皮
みかんジュースの絞りかすを、細くして鯛の餌に混ぜている。そうして育った愛媛県名産みかん鯛は、臭みもなく切り身にした時鮮度が持ちやすくなったという。健康番組でありつつ各地の名産も紹介するグルメ番組としての側面も見せ、幅広い層の視聴者へのアピールがなされていた。リモネンの消臭効果で臭みを消し、リモネンの抗菌効果で変色痛みを防いでいる。
みかんに関する雑学を盛り込んだため、ここまで75分もの時間を要した。みかんの皮の成分で、油性マジックで書いた文字が落ちるというテレビショッピングでお馴染みのシーンもあった。みかんの皮は油を落とす成分があるのだ。
みかんの重要ポイントまとめ
1、1日3個食べろ
2、筋や甘皮も食べろ
3、ヘタを下にして置け
4、皮のニオイを嗅げ
77分掛かったが、まとめるとこんなにコンパクトになった。
おでん編
オープニング
毎日おでん食べてる爺さんが登場。極端な例を出すと、視聴者にメッセージが伝わりやすいから登場させたのだろう。
おでんの栄養素について、予告された。
免疫力アップの最強具材ベスト5は視聴者の興味を引く。
講義ポイント
1、おでんにすることでパワーアップ
2、相性の良い具材でさらにパワーアップ
記録的猛暑だった今こそ、おでんを食べるべきと先生力説。寒暖差が免疫力を低下させると林先生、インフルエンザやノロに今年は特に注意とも。
免疫力は免疫細胞が左右している。免疫細胞の70パーセントは小腸に集中。タンパク質、繊維、ミネラル 亜鉛 鉄、カルシウム、ビタミンA・C・E・B2が免疫力アップに必要不可欠。
おでんの具材は200種類と多いから、一度に取れる栄養素がたくさんある。
栄養素がツユの中に染み出している。煮込んだ食材から出る栄養素が他の食材に吸収される。ツユを介して栄養素が移動する。
健康長寿者1000人が普段よく食べるおでんの具材
87分経過、みかん編終了から10分経ち、ようやくおでんの人気具材へ。
健康長寿者1000人が普段よく食べるおでんの具材ベスト15
15 ごぼう巻き
14 豆腐
13 しらたき
12 さつま揚げ
11 昆布
10 厚揚げ
9 牛すじ
8 巾着
7 ジャガイモ
6 がんもどき
5 はんぺん
4 ちくわ
3 こんにゃく
2 玉子
1 大根
ようやく、免疫力がアップするおでんの具材ベスト5が発表される。
ここまでで92分経過。さらに3分程度CMを挟んだ。
5位 ちくわ
4位発表まで22分を要した。
健康長寿のランキングでは4位。魚肉タンパク質がウイルスと戦う免疫物質を作る。スケトウダラの白身の部分だけをすり身にしているのでタンパク質が豊富。免疫グロブリンは体内に侵入してきたウイルスと戦う抗体で、魚肉タンパク質から作られる。林先生曰く、免疫グロブリンはタンパク質なしでは作られない。ちくわは脂肪が少ないから、純度の高いタンパク質が取れる。おでんで煮込むと、タンパク質の熱変性によりペプチドになり、タンパク質が分解され吸収されやすくなる。
まとめると、ちくわは煮込んでから食べろ。
ちくわと食べるとより効率よくタンパク質を吸収できる食材は
ジャガイモ、こんにゃく、どちらかクイズ。
102分経過。CM。2分経過。
正解はジャガイモ。含まれるビタミンB6が魚肉タンパク質の吸収率をアップさせる。
名医曰く、ちくわ1本だけで効果が期待できると。でも塩分が多い。おでんに入れる前に湯通しして塩分を減らせと、痒いところに手がとどくアドバイスもあった。
ちくわにだし粉?
おでんのちくわに「だし粉」をかける健康長寿者登場。イワシとサバの粉末と青のりが原料のだし粉は、タンパク質が豊富である。
おでんパーティという習慣を流行らせようという狙いも透けて見えた。
健康長寿の方はちくわと、何を一緒に食べていたのか
110分経過。CMで3分経過。
ヒントは炭水化物をたくさん含むもの。
正解は 白米。
白米とちくわの相性が抜群だ。白米のアミノ酸のうちリジンが不足しているため、ちくわで補い良質なタンパク質が取れる。
ここでだし粉をかけたちくわの試食会がスタジオで開催された。お決まりの儀式だ。
おでんに豊富な食物繊維が血糖値上昇を防ぐ。
黒はんぺんが紹介された。
ちくわまとめ
魚肉タンパク質で免疫機能を高める
白米ジャガイモと一緒に食べろ
117分経過でやっと4位の発表。
4位 がんもどき
健康長寿の方のランキングでは6位。大豆オリゴ糖が腸内の善玉菌を増やす。 腸内の善玉菌は、腸の免疫組織を刺激し、ウイルスと戦う体制を整える。
砂糖は小腸で吸収され血糖になる。
オリゴ糖は小腸で吸収されず善玉菌の餌になる。
野菜の鉄分もがんもどきに豊富に入っている。
がんもどきと食べると良い野菜は?
きゅうり、ブロッコリー。
正解はブロッコリー。豊富なビタミンCが、鉄分の吸収を助ける。フルーツでもオッケー。
がんもどき まとめ
オリゴ糖で善玉菌を増やす
ビタミンCと一緒に取れ
番外編 おでんの歴史
ここまで124分経過。
おでんは、室町時代の豆腐田楽が由来。田楽の説明を林先生がしていたが、雑学すぎるので割愛。
「この時期におでんを食べるのは防御機能」と名医の名言が登場。体をリセットするための、おでんとも。
3位 ロールキャベツ
ここまで126分経過。
健康長寿のランキングでは圏外。免疫細胞を強化するには ビタミンA・C・E・B2が必要。ロールキャベツに含まれるキャベツ、豚鶏合びき肉で全てまかなえるとのこと。だが、ロールキャベツに鶏ひき肉が入っている可能性は低いと思われる。
ビタミンCは熱に弱いだろ、と林先生が鋭い指摘。ツユに溶けたビタミンCを他の食材が吸収すると名医が好返答。
ロールキャベツ まとめ
各種ビタミンが豊富
ビタミンCを吸う他の食材と一緒に食べろ
番外編 おでん街 石川
もはやグルメ番組である。尺が長いのは、多様な内容を盛り込めるメリットがある。
赤巻なるかまぼこが登場。くるま麩というでかくて穴の空いた麩が登場。おでんにカニとはたまげた。かに面という、かにの甲羅にかにの身と味噌を詰めた具材も。えび天もあった。魚介の豊富な栄養素で免疫力アップをしていた。
免疫力アップが期待出来るおでんの食べ方
おでんのだし茶漬け。茶飯におでんの汁をかける。具材から出た栄養素を余すことなく吸収できる。ねこまんまをすするスタジオの一同、というある意味シュールな映像が流れた。
伊集院から、おでんの汁の塩分が気になると鋭い指摘。
名医は、具材とお汁は食べる日を分けると苦しい答えを返した。残った汁で炊き込み御飯、カレーに混ぜておでんのだしカレー、といった美味しそうなメニューが紹介された。他にも、ラーメン、味噌汁、などを俺は考えた。
2位 昆布
あと30分というところで2位を紹介。139分経過しており、余裕のある尺である。
ウイルスは空気中や食べ物では繁殖せず。腸内で増える。
フコイダンは海藻に含まれる水溶性の食物繊維。小腸で免疫細胞を活性化し抗体を作らせ、小腸の壁にバリアを作りウイルス増加を抑える。アルギン酸と合わせて、ウイルス増加を抑える。
昆布と何を食べればより骨を丈夫にしてくれるか
こんにゃく、大根。
145分経過し、2分のCMを挟んだ。
正解はこんにゃく。昆布のミネラル、こんにゃくのカルシウム、牛すじのコラーゲン。こんにゃく、こんぶ、牛すじの組み合わせで骨を丈夫にする。
富山県黒部市では、おでんにとろろ昆布
とろろ昆布に含まれるお酢が、食物繊維の吸収率をアップさせる。
昆布 まとめ
食物繊維が小腸を守る。
とろろ昆布とおでんを一緒に食べろ
おでんを沸騰させるな
おでんを沸騰させると栄養素が壊れるので、中火で40〜50分煮込むべし。作ったその日に食べれば、栄養素の崩壊を防げる。おでん屋では食材を入れ替えているから栄養素が損なわれていない、とおでん屋の宣伝もあった。
1位 玉子
ここまで154分経過。2分のCMを挟んだ。
「大根と玉子、両方飛んでたら大波乱ですけどね。」と林先生が大胆発言。
さすがは林先生。玉子が1位でした。
健康長寿のランキングでは2位。玉子は過去の講義でも紹介された栄養豊富な食材ですが、とアナウンス。みかんのみならず、卵まで売り切れにするつもりだろうか。
159分経過。番組終了が近づいてからのCMラッシュは他の番組でもよくあるが、視聴者の視聴疲れへの配慮や、次の番組に意識を向けさせる意図があるのだろう。
タンパク質、ビタミン類、鉄、亜鉛、葉酸、と栄養豊富。だが、食物繊維がない。おでんとして煮込むことで、昆布に含まれる食物繊維も取れる。
おでんのまとめ
おでんは、いろんな食材同士で足りない栄養を補い合える素晴らしい料理だと名医がまとめた。医者のいらない生活のため、食の見直し、腸の保護が必要とも主張していた。増大する医療費を少しでも抑えようという意図が隠されていた。
164分経過、番組終了。
未視聴者向け これだけは抑えてくれ
1、みかんを1日3個食べましょう
2、みかんは白い筋も食べましょう
3、みかんはヘタを下にして置きましょう
4、おでんは適当に好きな具を食べれば良し
5、おでんのツユは料理に使いましょう
余談:CMが挿入されたタイミングに関する考察
CMは一回につき、約2分ほど。例外は92・110分経過後で約3分ほど。
番組開始から、
17分経過後。
24分経過後。
43分経過後。
51分経過後。
66分経過後。
92分経過後。
102分経過後
110分経過後。
145分経過後。
154分経過後。
159分経過後。
番組開始後1時間ほどは、視聴者が番組のペースに不慣れなのでCMが短い間隔で挿入された。番組開始70〜90分ほどは、視聴者の集中力が一番高い時間帯なので番組への集中力を削ぐCMは挿入されていない。90分を過ぎると視聴者の集中力が切れてくるので、10分ほどの間隔でCMが挿入され、その時間も長くなる。視聴者の集中力を回復させた後、再び集中力が切れる145分経過時あたりで再びCMラッシュ。頻繁に休憩を挟むことで、番組終盤の視聴者の集中力を切らさず、番組内容への興味も掻立てる。視聴者が十分休憩し、集中力を回復させたタイミングで次番組につなぐ。