アラサー高学歴ニートの軌跡

アラサー高学歴ニートが、日々の行動や考えを記すブログです。

万城目学「鴨川ホルモー」の妙なリアルさ

読みながらでも自然と眼前に映し出される映像の強烈さは未だに記憶に残っている。

 

 

こんな人にオススメ

 

・京都を舞台にした、リアルと幻想が相半ばする物語を楽しみたい。

・雲ひとつない青空の素晴らしさを噛み締めたい。

・京都大学に憧れる。

 

みなさんは「ホルモー」という言葉をご存じか。

 

という書き出しで始まる本書。ホルモーと言われても我々読者は意味が分からず、きょとんとするばかりである。そんな意味不明なワードをさもよく知っているかのように投げかけ、万城目ワールドに自然と引きずり込んでいく著者は策士である。

 

 

京大青龍会というサークルに主人公の安倍は入ることになるのだが、

 

・新歓はなぜか2年に一回だけ行う。

・どの年度も、新入部員は10人ぴったり。

・突然始まる謎の研修。

・主人公の代でちょうど500代目。

 

とフィクションの世界でもそうはお目にかかれぬ珍設定が目白押しなのである。変わった部活はラノベやアニメでよく見られるが(例:囲碁サッカー部、ジャズ空手部)、ホルモーなる異様な競技を行うサークルはこの作品くらいだろう。明らかにフィクションなのにリアル以上にリアルさを感じさせるバトルが展開されるホルモー。その戦略性の高さ、緊迫感、何より面白さは凄まじい。

 

作品の世界観も非常にリアルでありながら異世界への入り口がそこかしこに見え隠れしている。ここら辺は、京都という土地が醸し出す雰囲気も影響しているのだろう。

 

 

 

「イェイ イェイ イェイ イェーイ」の合唱とともに、一切の躊躇なく、生まれたままの姿へと戻っていったのである。