アラサー高学歴ニートの軌跡

アラサー高学歴ニートが、日々の行動や考えを記すブログです。

【感想&考察】第96回全日本仮装大賞 を全作品レビューする。

前回の仮装大賞は、番組史上初の0点が出るなど審査が厳しくなったと評判でした。さて今回はどうでしょうか。20年くらい前から見ている31歳高学歴ニートが、マニアックな視点から辛口でレビューしてみました。

 

目次

全作品の簡潔なレビュー

 

1 ダチョウを捕まえろ! 10点

 おっさんが暴れるダチョウに振り回されていただけ。香取慎吾曰く「いつもよりひどかった。」。それでも出場できるあたり、仮装大賞のレベル低下は甚だしい。

  

2 陸上競技の天才 18点 

小さい子供が大人の助けを借りて様々な陸上競技をクリアしていく。よく見るタイプの仮装である。

 

3 クレーンゲーム 16点

子供が逆さまになっていたようだが気のせいか。クレーンの手の部分を子供が担当している。2番に引き続き、子供に対して採点が甘すぎる。

 

4 でんでん太鼓 11点

お母さんの激しい動きだけが見所だった。まさに孤軍奮闘。

 

5 透明人間の酔っぱらい 13点

ラーメンのスープが勝手に消えていく様とか、寿司折を落としてしまったところとか、笑いどころが多くて面白かったのに落ちた。 12歳は子供ではない、というメッセージを感じる。

  

6 直滑降 14点

スキーの滑降を、ファスナー開ける動作で再現していた。おっさん一人作品は前回に引き続き、受難の流れが続いている。

 

7 どんなひょっこりはん? 18点 

小さい女の子なのに、やってることがおっさんくさくて新鮮である。児童を「ゆめはん」 と呼んでいたのは、若干無理矢理感があった。ネタがおっさんでも、やってるのが子供だと採点が甘くなるんだね。

  

8 水族館オールスターズ 20点

エビやタツノオトシゴまで登場。最後はすべての海の生き物が勢ぞろいし、全体的に流れは良かった。初めて仮装らしい仮装を見た。

 

9 引っ越し 16点

一人で逆四つん這いになりながらM字型を作り続け、体を張っていた。「落としたら弁償だぞー」とか妙にリアル。

 

10 地球温暖化 11点

謎の子供が登場し、温暖化は一気に解決した。シュールで、あまりにもご都合主義な展開。こんなアニメがあったらクソアニメ間違いなし。九州大学なんだからもっと凝ったストーリーを考えてください。

 

11 メロンパンで始めよう 6点

チューチュートレイン(笑)。トレインじゃなくて観覧車というのが致命的だが、全体的にノリが寒くて不合格も納得。

 

12  顔ヨガ 12点

怖い顔が変な動きをするのは普通に笑える。

 

13 遊園地のバイキング 19点

おっさんが逆上がりを続け、乗り物を回転させ続ける。おっさん受難の流れにあっても、おっさんの必死さは審査員の心を動かした。 

 

14 チーズで縄跳び 18点

子供が伸びたチーズで縄跳びしてるだけ。それでも合格したのは、やはり審査員の子供に対する甘さゆえか。

 

15 クレーンゲーム 13点

ネテロ会長登場。潰れたペットボトルを黒一つない頭に一つ一つ付けていく様に哀愁とユーモアが漂う。個人的には20点の作品だが、審査員はおっさんには非常に厳しい。

 

16 スパイ大作戦 20点

シモゾンという店があった。細部までこだわりが感じられる。今回珍しく、大規模なセットが大量に登場。セットの数々が次々消える様でスピード感とスリルを演出していた。最後は無事逃走成功し、今回初めて一つのまともなストーリーを表現できた作品となった。

 

17 グレーヘアーでGO! 15点

50回出場の三井さん。グレーの頭は貫禄たっぷり。生しらすの軍艦巻きには大爆笑。黒板の消し跡、七輪の炭火など、ネタが微妙に懐かしくてたまらん。

 

18 トランペットの調べにのせて 12点

最後のトンネルは意表をつかれた。相変わらず、12歳以上には厳しい審査員であった。

 

19 ボウリング 11点

鼻に指入れられるとは。大人には厳しい採点。

 

20 人力車 10点

タイヤをペプシマン二人が担当。這ったり前転したり、頑張っていた。久本雅美と梅沢富美男が点数を付けておらず、二人の厳しさがうかがえた。

 

21 サーファー危機一髪 18点

波の激しさをダンサーたちの渾身のダンスで表現。最後は謎の感動もあり、これはこれでストーリーになっていた。

 

22 ウリボウ 14点

ウリボウがどんどん大きくなっていき、最後には全頭が合体して一頭のイノシシになるという見事な流れ。おっさんだけでなく、おばさんにも厳しい採点。

 

23 アシカショー 20点

アシカが後半失敗が目立ちつつも意外とフラフープをキャッチできていて、会場もいい雰囲気だった。こういう作品は合格しやすい。

 

24 ピーターパン 20点

今回珍しい、大人数の作品。セリフはなく、動きだけでストーリーを表現していた。

 

25 ヤドカリのビーチフラッグ 10点

タイトルだけで、つまらんと確信した。ヤドカリがビーチフラッグしただけの作品では、さすがに子供が主演であろうとも合格は出来なかった。

 

26 アリスの小さくなる薬 12点

アリスが小さくなるだけ。子供に厳しいなと思ったが、12歳不合格の法則がまたも発動した。

 

27 ストーブの歴史 20点

ヤカンの仮装には笑った。最後、煙が四方に散る様も本格的だった。

 

28 女子高生のパルクール 14点

主演も裏方も、動きに無駄がなく素早い。テンポも良く結構面白かったのにまさかの不合格。

 

29 お出かけ 13点

 お出かけかと思いきや、ラーメンが完成するというまさかの展開。仮装終了後、まさかの男の娘と判明。

 

30 まんじゅう早食い競争 10点

風船割ることでまんじゅうを食う様子を表現した。

 

31 しゃくとり虫 11点

虫が這っているだけかと思いきや、突然のカマキリ襲来。期待させたが、カマキリは動かず肩透かし。58歳とは思えぬ体力には「凄い」の一言。

 

32 東京今昔物語 18点

タイトルで期待したが、期待以上。糸で少しずつ建造物を持ち上げ、東京の発展を表現した。最後、「ありがとう平成」のメッセージが流れたのも感動的だった。俺なら、この作品を優勝に推す。

 

33 イコライザー 20点

女子大生の呻きでイコライザーの唸りが表現されていた。意図したかどうかは不明だが、イコライザーの年季を表現するうまい演出だった。

 

34 注射器で仮装大賞 15点

思わず笑ってしまった。注射器を使った仮装は珍しい。

 

35 シルエットでサファリ 20点

影絵と背景の変化でジャングルの動物を表現。完成度が高く、優勝候補。

 

 総評

今回も前回と同じく35組が出場した。以前は50組近く出場していた回もあったはずだが、テレビに映れるレベルの作品が少なくなったのは相変わらず。審査基準が厳しくなった前回の流れを引き継いでいるが、11歳以下の子供に対しては明らかに甘かった。逆に、12歳以上の未成年には厳しかった。12歳以上は子供じゃない、という審査員の無言のメッセージが感じられた。

 

今回優勝したのは8番「水族館オールスターズ」。確かに完成度は高かった。視聴者投票では16番「スパイ大作戦」や35番「シルエットでサファリ」が人気だったが、仮装という観点から言えば8番が優勝に相応しいのは明らかである。

 

出場者の傾向に関する考察

子供1人あるいは子供だけの出場が目立ったのは相変わらず。日本の年齢別人口分布を反映したのか、一人で出場する50歳以上の女性が今回目立った。家族参加の組は前回より増えたように思えるが、小中学生がクラス全員で出るような組は全盛期よりめっきり少なくなった。少子化で1クラスの人数が減り、先生の仕事量は大幅に増え、児童生徒の保護者からのクレームを考慮しクラス単位の仮装出場が敬遠されるようになったからだろう。

 

再び努力が脚光を浴びる時代に

前回は、「仮装の練習が辛い。たくさん努力した」という声を聞かなかった。しかし今回は、努力が前面に押し出されていた作品が目立った。「好きだからいつの間にか上達していた」から「辛さを我慢して努力する」に時代は逆戻りしているようだ。前澤社長の大躍進に代表されるように、努力して成功した者が持て囃される時代が戻ってきたのだ。「好きなことで食べていく」の難しさを、人々が理解し始めたのは確かである。