アラサー高学歴ニートの軌跡

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【各予備校で解答が割れた問の検証】2019早稲田大学解答速報 商編

商学部の国語では、大問二(古文)問十四・問十六、十九、二十で各予備校の正解が割れました。(増田塾の解答速報発表を受け、2019年2月26日修正)

今年の商学部は、古文で各予備校で判断が割れる設問が目立ちました。大意や話の流れは分かりやすい一方で細部の読み取りが難しい文章であったこと、内容理解を問う設問の選択肢が非常に紛らわしかったことが原因でしょう。

 

目次

大問二問十四の検証

 

大問三問十四は、傍線部の理由を聞いています。

 

ハを正解としたのは、代ゼミ、駿台、東進、早稲田予備校、増田塾。

ホを正解としたのは、河合塾。

 

河合塾の担当者は、深読みしすぎて誤解してしまった模様です。

 

ハが正解である根拠

 

駿台曰く『このような美しい女性は他に似ている人もいない、と言うこと。「かなし」はここでは「いとしい」の意味』。男が后の美しさに見とれて夢うつつとなっている場面なので、ハが正解です。男がホの事実を知ったのは、太田道灌に会ってからです。傍線部2の時点では男はホの事実を知らなかったためホは不正解となります。

 

大問二問十六の検証

 

大問三問十六は、本文の精密な読み取りが求められているため難しかったです。

 

イを正解としたのは、河合塾、代ゼミ、駿台、早稲田予備校、増田塾。

ホを正解としたのは、東進。

 

難しい設問ですが、プロなら正解してほしかったです。 

 

イが正解となる根拠

 

早稲田予備校曰く『「おしまはす」に注意。過ぎ去った車が戻ってきたという内容』。ちなみに、本文の『おしまはす』は「押し回す」。つまり、回転させたという意味です。よって、イが正解となります。

 

大問二問十九の検証

 

大問二問十九は、内容理解を問う問題でした。解答根拠が少し離れた箇所にありました。

 

ロを正解としたのは、駿台。

ホを正解としたのは、河合塾、代ゼミ、東進、早稲田予備校、増田塾。

 

駿台曰く『最後の段落に「なほ今の世までも同じ思ひの炎にこがれ」 とあることから判断。ロは「灯火を煽いで消そうとして...燃え移った炎」 と言うのが不適』。明らかに駿台の誤植でした。

 

大問二問二十の検証

 

大問二問二十は、傍線部の意味を聞く問題でした。選択肢が非常に紛らわしく、解釈の仕方によって正解が異なる問題でした。

 

ロを正解としたのは、河合塾、代ゼミ、駿台、東進。

ハを正解としたのは、早稲田予備校、増田塾。

 

駿台の解答速報ではホが正解となっていますが、講評からはロの正解を前提としていると読み取れるためロを駿台の見解とします。

 

ハが正解となる根拠

 

駿台曰く『「伊勢物語の沙汰」とは、「伊勢物語の処理」と言うことだが、それが選択肢の「伊勢物語の講義」に該当する』。駿台の解答速報ではニが正解となっていますが、実質的に駿台の正解はロと判断していいでしょう。

 

早稲田予備校曰く『ロで迷うが、ここは道灌が講義の中で伊勢物語を好色の本と言わなくなったという内容』。増田塾の解説を要約すると『「沙汰」は理非を論じ定めること。傍線部7を直訳すると「自分でも容易に伊勢物語の評価を下すことはしなくなった」』。増田塾の解説が最も説得力があると判断できるため、ハが正解でしょう。