アラサー高学歴ニートの軌跡

アラサー高学歴ニートが、日々の行動や考えを記すブログです。

旧VARKモデルは時代遅れなので、最新版VARKモデルを紹介する

従来のVARKモデルは、疑似科学だ、根拠が脆弱、効果が薄い、などと散々批判を浴びてきました。それでも、高学歴ニート藤浪サトルは「VARKモデルは有効である」と断言します。

 

ソースとなるページはこちらです。

www.educationcorner.com

従来のVARKモデルの常識を打ち破る刺激的な内容が、長大かつ難解な英文で綴られています。冗長な箇所や不要と思われる箇所を省略し、適宜加筆修正しつつ分りやすい日本語に訳して紹介しました。学校の先生向けの内容が中心ですが、受験生、社会人、ニートの皆さんにも大いに参考になる内容となっております。

こちらのサイトは他のページで、全米7,000以上の大学のデータを載せています。しかも、すべてのデータは各大学から直接提供されたもの。その中には、ハーバード大学やマサチューセッツ工科大学等も含まれています。いわば世界の一流大学のお墨付きをもらったサイトの記事なので、信頼性は抜群です。上記の記事はBecton Loveless氏が執筆していて、https://www.educationcorner.com/about.htmlの一番下に氏の顔写真と経歴が載っています。

 

目次

VARKモデルのメリット 

VARKモデルを知ることは、効率の良い学習及び指導はもちろん、自分自身の理解、仕事、人間関係などにも非常に役立ちます。あなたが教師なら「あなたはどのように学習するか」「あなたは何故そのように学習するのか」を理解すれば、貴方の授業や指導は劇的に良くなります。

 

VARKモデルの新しい定義

全部で4つのタイプがあります。

 

  視覚タイプ=見ることで最もよく学べる
  聴覚タイプ=聞くことで最もよく学べる
読み書きタイプ=読み書きで最もよく学べる
  運動タイプ=動いたり実践することで最もよく学べる

 

あなた固有の学習スタイルは、メタ認知=自己客観視なしでは発見できません。多くの人々は、上に挙げた4つのやり方の幾つかを組み合わせて学習しています。よって、自分や他人をどれかのタイプだと決めつけるのはナンセンスです。

 

https://gigazine.net/news/20180412-are-learning-styles-real/

にある通り、どの実験も一つの学習スタイルだけを採用したためか、VARKモデルの有効性を否定する結果が出ました。しかし、各生徒の得意なスタイルだけでなく、他のスタイルも教育に用いることでVARKモデルは真価を発揮すると私達は考えます。教師にとって重要なことは、それぞれの生徒が各人に最適な学習スタイルで学習できるようにし、他のスタイルを発達させる機会を各生徒に与えることです。また、あなた固有の学習スタイルを知ることは、学習をよりスムーズかつ質の高いものにします。

 

下記リンクをクリックしてアンケートに答えれば、自分の学習タイプと各スタイルへの適性が分かります。

http://vark-learn.com/the-vark-questionnaire-japanese/

 

視覚タイプ

特性及び向いている職業

勉強する時に、地図、略図、ダイアグラム、チャート、グラフ、デザイン、パターンを好んで使う。人間の脳は文章以上に視覚情報を圧倒的に速く処理できる。視覚情報を好む視覚タイプはこの特性を頻繁に利用するため、情報をより速くより多く取り入れ保持することができる。

 

このタイプは理科、技術、工学、数学が好きで得意な傾向にある。特に、写真、建築、グラフィック設計、室内装飾、広告、工学、外科に関わる職業に就く傾向がある。

 

視覚タイプとの付き合い方

このタイプが授業中ノートに落書きをしていても、放っておこう。その落書きは授業の要点を理解する手助けになっている可能性があるからだ。このタイプは膨大な視覚情報のインプットができるため、他を圧倒する好成績をいともたやすく叩き出せる。このタイプは教室の掲示物からも情報を吸収するため、教室のデザインは極めて重要である。このタイプの中には、教師の手の動きを学習の手がかりとする者もいる。視覚タイプには、日付や主題といった項目ごとに違う色を用いると良い。数学では、問題を解く過程を口頭で説明するよりチョークで示す方が良い。ボディランゲージにも注意を払おう。ジェスチャーしたり手を動かしながら説明すれば、視覚タイプの注意を喚起でき、しかも理解を促すことができる。チャートやグラフは、数学や理科以外の教科でも十分役にたつ。教科書に書かれていることを、絵を描かせて分かりやすく表現させることも有効だ。

 

聴覚タイプ

特性及び向いている職業

聴覚タイプにとって、注意深いリスニングとスピーキングが最も効率よい勉強方法である。また、自分が話す内容を録音した後自分で聞くことによっても効率よく学べる。授業中に積極的に手を上げたり、クラス内での議論に積極的に参加する傾向も強い。このタイプの強みは、恐れずに自分の意見を話せること、積極的に質問できることだ。このタイプはリスニングとスピーキングを通じ学ぶため、授業の中で情報をいとも容易く正確に処理できる。物語を紡いだり、スピーチをするのも概して得意である。

 

どの職業もリスニングやスピーキング要素がかなり要求されるため、このタイプにとって都合がいい。

 

聴覚タイプとの付き合い方 

このタイプは耳で情報を処理するのに長けているので、ノートやパワポを頻繁に見なくていい。注意力が散漫になっているように見えるのはそのためである。授業中このタイプがお喋りを始めたら、活気ある議論を始める良いチャンスだ。お喋りに腹を立てる代わりに、このタイプがどうやって頭を働かせどのように学ぶかを思い出そう。また、書いたり、視覚情報の処理が苦手であることを念頭に置こう。オーディオブックを与えるのも有効。ソクラテス方式の議論に参加させるのもいい。他の生徒が嫌がるクラスの委員などをしばしば好むのも特徴的だ。ノートを取らせる代わりに、先生の授業を録音させ帰宅後に復習してもらうのも良策。議論はどのレベル、どの教科でも有効である。

 

読み書きタイプ

特性及び向いている職業

情報を本から得ようとするなら、このタイプである可能性がある。読み書きによって最も効率よく学べる。板書やパワポを見てノートをとることがこのタイプにとって重要。本、リスト、ノート、新聞、雑誌、辞書などから最もよく学ぶ。

 

物書きだけでなく、編集や広告、調査、翻訳、などの職業も向いている。

 

読み書きタイプとの付き合い方

このタイプは授業を真面目に聞く生徒である。議論に消極的で、聞いたことを処理するのに少し時間がかかる。質問する前に、答えをまとめる時間を取ってあげよう。先生の言った冗談までノートに全部取ろうとする場合がある。その場合は、授業で一番重要な箇所を強調したプリントを用意し、細かい部分までノートを取る時間をたっぷり取ろう。伝統的な授業方法で力を発揮するタイプなので、読み書きの宿題が非常に効果的である。このタイプは、人前で自分意見を話すのを苦手とする傾向がある。テストで一番を取るタイプだが、授業中に指名されるのは苦手だ。二人だけなら、このタイプは安心して意見を言える。まず、答えがいくつも考えられる質問をし、静かに考え、ノートにまとめる時間を与える。2、3人の少人数のグループを作らせ、答えを共有させる。最後に、クラス全体で議論する。質問にすぐに答えさせようとするのは、言語処理が最も速い聴覚タイプ以外には悪手である。

 

運動タイプ

特性及び向いている職業

率先して皆の前で実演するタイプは、運動タイプでしょう。動きを通じて、または実際にやってみることで最もよく学べる。情報を身体記憶として覚えるのが非常に得意である。このタイプは、実演や実験で輝く傾向にある。ライブビデオを見たり、フィールドワークに出かけることで最もよく学べる。

 

身体を動かす仕事で輝くタイプである。じっとしているのが苦手だ。アスリート、農業、大工、整備工などが向いている。

 

運動タイプとの付き合い方 

このタイプが授業中そわそわしていたりイライラしていても、授業はちゃんと聞いている。授業中に他の生徒の邪魔をしない限り、このタイプを無理に椅子に座らせなくていい。できる限り、動きと教えたい事柄を結び付けよう。このタイプの脳は、情報同士を関連させるために動きを必要とするからだ。このタイプはもっぱら動きを必要とする。このタイプが退屈しているようなら30秒間授業を中断し、軽くジャンプでもさせよう。もうこれ以上座っているのは不可能なら、急ぎの用事を言いつけよう。計測、模写、写生、撮影、が効果的。もちろん、校外の方がより効果的である。教室を賛成側と反対側の二つに分け、生徒たちにより自分の信念に近い方に移動してもらう作戦は聴覚タイプにとっても有効だ。初めは各グループで議論し、次にクラス全体での議論に移る。国語や歴史の授業では、教科書を読む代わりに、各生徒に割り当てた箇所を実際に演じさせてみると良い。同じく国語や歴史の授業で、生徒全員をいくつかのグループに分け各グループごとに違うシーンを割り当て、1つのグループが無言で各ポーズごとに5〜10秒静止する劇を演じている間、残りのグループは各ポーズの意味を推測する、という手法もある。こちらは、復習に有効である。

 

参考:Memleticsとは

Memleticsとは、VARKモデルをベースに幾つかのタイプを足したモデルである。今回はそのうち3つを紹介する。

 

論理タイプ

概して数学が得意で、高い論理的推論技術を持つ。パターンを素早く見抜き、他人からは無関係に思える情報のつながりを鋭く洞察する能力がある。このタイプは、情報を分類したのち、そのつながりを図にまとめることで詳細まで記憶するというスタイルを採る。意味の理解を追い求め、今学んでいるテーマの背景を推論することで、最大限の学習成果を挙げることができる。繰り返し暗記法には頼るなよ。関連する事柄同士のつながりを追い求め、詳細を理解しているかどうか確かめろ。システム思考(各部分同士のつながりと相互作用を理解し、全体を洞察する)を、システムの各部分同士の関係をより深く理解するために使いなさい。全体像だけでなく、各構成部分がなぜ重要なのかについても理解が深まるだろう。

 

社会タイプ

概して文章表現や言語コミュニケーション技術が優れている。気軽に他人と話せるし、他人の考え方を理解するのに長けている。だから、このタイプは他人に相談されがちなのだ。このタイプは、グループ内の他メンバーと楽しみながら課題をクリアしたり、先生と一対一で話すことで最も良く学べる。もしあなたがこのタイプなら、他人と勉強する機会を積極的に作るべきだ。場合によっては、あなた自身のグループを作った方が良い。

 

孤独タイプ

概して自室で一人きりで課題に取り組むのが好きだ。そう、他人に助けを求めず一人で。このタイプは頻繁に、自らの学習方法や好きな分野について分析する。一人で学習するのが好きなので、不明点を他人に聞けずに時間を無駄にしてしまうこともある。しかしながら、一人で行う学習は生徒たちに取って極めて効果的な学習となりうることもまた事実である。

 

同時に全てのタイプを教えるコツ

たくさんの学習スタイルを組み合わせた授業が顕著な効果を上げることはよくある。人間の大半は、複数の学習スタイルを組み合わせて学習しているからだ。

全てのタイプの生徒が他のタイプの恩恵を享受する機会は、すでにたくさん用意されている。あなたは、少しひねればいい。

 

クラスに拠点を作れ

クラスに多数の異なる拠点を作り、グループごとにそれぞれの拠点に集まってもらう。その時、それぞれの拠点ごとに異なる課題を与え、一定間隔でグループごと拠点を移動してもらう。生徒が全ての学習スタイルを学べるなど、沢山のメリットがある。 もし、運動タイプの拠点を用意できなくとも、グループを移動するだけでも運動タイプの役に立っている。聴覚タイプも同様で、小グループで拠点を順に回っていくだけで議論は自然と深まっていく。

 

オプションを与える

可能であれば、生徒にオプションを与えよう。例えば、作文に代わる何かを。生徒にオプションを与えている時は、生徒の選択に口を出さなくていい。生徒は大抵自然に、最もしっくりくる学習スタイルに自然と吸い寄せられていくからだ。4つの異なるオプションの具体例は、

 

作文する (読み書きタイプ向け)

ポッドキャストかTEDを聞く(聴覚タイプ向け)

映像を見る (運動タイプ向け)

ポスターを作る (視覚タイプ向け)

 

ヘッドフォンの使用

生徒が一人で課題に取り組んでいる時は、ヘッドフォンの使用を認めよう。大半のタイプは雑音をカットできて便利だし、聴覚タイプの場合、聴いていることと学んでいることとの間につながりが発生するため、理解が楽になる。静かに課題に取り組む必要があるときに、ヘッドフォンはとても役に立つ。

 

テクノロジーの活用

数多くのアプリやウェブサイトも生徒の学習の手助けとなる。絵があり音が出るゲームは、視覚タイプや聴覚タイプの学習を助ける。説明やレッスンが提供されているアプリは、読み書きタイプの学習を助ける。身体で操作するデバイスは、運動タイプにぴったりだ。グーグルで検索すれば、あらゆる授業で活躍するウェブサイトやアプリが出てくるはずだ。

 

最後に 

4つの学習タイプの名称は、脳の異なる情報処理プロセスが由来となっている。伝統的な教育において、読み書きタイプの特徴が強く出ている生徒がいい成績を取りやすいため優等生とされがちであった。現在、学校や教師が様々な学習タイプ向けの教育を提供している。

 

すべての生徒が一人ひとり違い、同じ視覚タイプの生徒でもベストな方法が全く異なるケースがあり得るということをあなたの胸に刻んでほしい。教育において最も効果的なのは、それぞれの生徒について学び理解することだ。すべての生徒が要望と感情を持った人間だと肝に銘じれば、あなたは一人ひとりに寄り添うことができるだろう。

 

もしあなたが自分の学習スタイルを知りたいと思うなら、http://vark-learn.com/the-vark-questionnaire-japanese/

をクリックしてアンケートに答えてください。もしあなたが先生なら、効果的な学習のため、すべての教え子に上記のアンケートを回答させましょう。アンケートの結果を通じて、生徒は自分に最も適した学習方法について詳しく知ることができます。

 

生徒の学習スタイルは変化しうる。また、あらゆる生徒は各自に最適な学習スタイル以外のスタイルも(得意不得意の差はあれど)活用することができる。あなた自身の学習スタイルを理解することで、学習効率は飛躍的に高まる。