アラサー高学歴ニートの軌跡

アラサー高学歴ニートが、日々の行動や考えを記すブログです。

昭和生まれの無職俺が、平成最後の紅白歌合戦2018の感想を語る。

物心ついた時から、大晦日は紅白と決まっていた。50年くらい経った後で平成最後の紅白はこんな感じだったと懐かしめるように、今記す。注:省略あり改行なし。

 

平成最後の紅白、ということでまず印象に残ったのは、Little Glee Monster。大学生200人と一緒に歌ったのは新趣向で、本来のNHKらしくて良かった。「皆の紅白」を強調していた。5年くらい前なら、山内惠介の周辺で踊っていたのはAKB48の面々だっただろう。今回は刀剣男子だった。6曲終わったところで、幕間が長すぎた。長すぎてダレてしまった。いつまでも続くよ、おかあさんといっしょ。将来にわたって紅白を見てもらうため、今のうちに年少者を取り込む狙いは良い。が、肝心の年少者はどれくらい紅白を見ているのだろうか。他局のバラエティでゲラゲラ笑ってると思うけどね。ベテランの三津谷さんに、明らかにCG製の建造物の前で体育座りさせるという凄まじい塩対応には呆れた。紅白歌合戦が「紅白」なのは初代ディレクターが剣道部だったから、という豆知識をナイナイ岡村ともう一人のおじさんの熱演で紹介したのは面白かった。どこか、初期のプレイステーションのCMの残り香を感じさせ無性に嬉しくなった。平成最後のこのご時世に、嬉しい限りだ。中略。紅白そっちのけでスマホを弄る父共々、あいみょんのステージには食い入るように見入ってしまった。こんな場面で、ああ親子だなあと実感する俺自身にいささかの失笑を覚える。見入りすぎて歌詞が入ってこなかったのはご愛嬌。溢れんばかりの恋心を雲に仮託したあたり、平安文学だ。平成最後になっても、日本人の心は平安時代から変わってなくてなんだか安心した。最近はスマホも紅白歌合戦に出るのかと驚いたが、アイドルでしたAqoursです。事前チェックがおざなりになっていたので直前まで見逃していたが、進撃の巨人3rdシーズンのOP曲「Red Swan」が紅白で見れるとは思わぬ僥倖だ。アニメでの抑えた美声とは真逆の絶叫主体のステージだったが、アニメと同じように歌ってくれれば尚良かった。島津亜矢の歌声に合わせ、背後で平成の出来事が流れる神演出。これを求めていたんだよ俺は。おぼろげな松岡修造を映した後でガッツポーズをする錦織圭が鮮明に映し出した演出には、鳥肌が立った。ああ、時代は変わったんだな、と。紅白最大の見所はある意味9時5分前のニュースなのは、20年以上前から変わらぬ真実である。渋谷駅周辺が映ったが、警察官が皆若いことに驚いた。若者の乱痴気を取り締まる側まで若者なのは、「劇とは観客自体もその演出の一部に過ぎない」という有名な言い回しを思い出させる。いつもなら、来年の干支は何万人でそのうち最多は〜というニュースが流れるはずだが、今年はなしか。火事以外に暗いニュースは誰も見たかないもんな。DA PUMP「U.S.A.」は、ステージ後方でアイドルもおっさんもイケメンも演歌歌手もマッチョも輝いていた。後半最初の曲だが、まるで終盤のような演出だ。一部ではマンネリ化を指摘されたAKB48だが、BNK48とコラボしたのは非常に面白い。途中、どっちがAKB48か一瞬分からなくなってしまった。思った以上に両者が混じり合っていた。衣装が同じだったら、判別はもはや不可能だっただろう。King & Princeのステージを見る松潤の顔がどこかうらやましげだったのは気のせいだろうか。Perfume「エレクトロワールド」ではVR技術が駆使されており、平成初期とは隔世の感があった。ガタッ。欅坂46の出番になって父が動いた。だが、俺の方が早く画面に食いついていた。歌詞は悪くはないが、歌声にハスキーさというか狂気が圧倒的に不足していたのが残念だった。どこか女性的に見えたキンプリに対して、欅坂46は服装を中心に男らしさを強調していたのが好対照だった。EXILEはつい去年も紅白に出ていたような気がするが、実は3年ぶりである。大学生時代に見た時と動きに遜色はなかったが、当の俺が色あせてしまったのでかつてほど熱狂できなかった。三浦大知は、歌い始める前から圧倒的なモノを感じた。実際聞いてみると、期待以上だった。息詰まる静と爆発的な動の落差の激しさには震えた。三浦大知のダンスは誰よりも切れ味があった。何より、彼の笑顔がとても良かった。今までの出場歌手の中でも一番といえるほど、彼は人生を心から楽しんでいるのだろう。終わりの方で他の曲に変わったのかと思えるほどの変化を見せ、最後まで楽しませてくれた。aikoの「カブトムシ」は出た当時それほど好みの曲ではなかったが、今聞いてみて初めて名曲だと思えた。松任谷由実はさすがに衰えが見られたが、低音の響きは往時以上に良かった。魔女の宅急便の主題歌を歌ってくれてとても嬉しかった。星野源は、詩的な歌詞に明るい歌声がどことなく古き良き早稲田を思い出させた。暗い一面も見せた一方、最後には木琴を音程通りに乱れ叩き、銅鑼まで叩く破天荒な面も見せた。あらゆる星野源が見れて、大満足である。米津玄師「Lemon」で歌われた「あなた」は、恋人というより憧れの人といった方が近いのだろうか。ゆずの番になると、「ゆずは聞く価値が無い」と言わんばかりにこれまで歌に聞き入っていた父が突然イヤホンをスマホに刺し音楽を聴き始めた。俺もゆずは嫌いなので、10曲ぶりに訪れた休息時間を喜んで享受することにした。トリはサザンオールスターズ。年取ったおっさんが無理しているような感じは微塵もなく、若者が若者らしくハツラツと歌っていた。希望の轍以外にもサザンならいくらでも相応しい曲があるだろうが、選曲に番組スタッフのメッセージを感じた。二曲目になると流石に息切れかと思ったが、さすがは桑田佳祐。ここからが本番とばかりに息を吹き返し、アドリブだらけの歌詞を上手く歌い上げ、最後まで盛り上げた。他のおっさんがやったらハラスメントになるであろう行いの数々も、どこか不器用なアプローチに見えながら気配りを感じさせた。最後の投票は白組の圧勝だったが、桑田佳祐の貢献はさぞ大きかっただろう。今回の紅白を総括する。前半は無駄に長い寸劇の連続にダレてしまったが、後半からはそういった寸劇も一切なく歌に集中出来た。後半は例年になく名曲が続いたので、この半生で一番紅白を楽しめた。