アラサー高学歴ニートの軌跡

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【難問解説】センター2019地理Bの大問3問1と大問4問6は簡単だ!

各予備校が難問と評した大問3問1「パリ周辺の景観」及び大問4問6「4カ国の移民送出国に関する統計」を、どう考えれば良いか詳しく解説しました。

 

目次

大問3問1の詳しい解説 

河合塾の『パリが放射環状型の都市で、セーヌ川の中ノ島から発展したという知識が必要である。』は的外れである。なぜなら、そんな知識を知らなかった俺が正解できたからである。地図を正しく読みとり、論理的に考れば正解にたどり着くのは簡単だ。

 

まず、Cから考える。Cは近くに主な鉄道がたくさん走っている。しかも、近くに高速道路が無い。ここで、「高速道路より鉄道の方が古くから存在していた」「主要な鉄道や高速道路が近くにあると街が発展する」「使える交通が多いほど、街は発展する」という常識を思い出そう。主な鉄道が近くにたくさん走っているのに、高速道路が無いため、昔栄えていて今廃れていると判断できる。よってCはウが正解。

 

アの商業施設は交通が不便だと客が来なくなり建てた意味が無くなってしまうため、高速道路そばのBに建てるはず。よって、Bはアが正解。

 

残ったAは、消去法でイに決定する。正解は③となる。

 

もっと簡単な別解

もっと簡単な方法があったので追記します。「高速道路より鉄道の方が古くから存在していた」「主要な鉄道や高速道路が近くにあると街が発展する」「使える交通が多いほど、街は発展する」という高度な常識がなくても正解できる方法です。

 

主要な鉄道や高速道路が近くにあると交通の便が良くなるため、地価が高くなるのは当然である。マンションだって、徒歩30分の物件より駅前の物件の方が高いでしょ。大多数の人はビンボーだから、地価が安くて交通の便が悪い郊外に住まざるを得ない。

 

ここで地図を見ると、Aのそばだけ明らかに交通が不便なのが分かるはず。続いて、次ページの建物の写真を見る。イは大戦後に建てられた住宅で、ウよりも明らかに建物が高い。つまり、イはマンションで、ウはせいぜい3階建の一軒家である。ビンボーな多数派はどちらに住むだろうか。もちろんイである。

 

アの商業施設は交通が不便だと客が来なくなり建てた意味が無くなってしまうため、鉄道と高速道路がそばにあるBに建てるはず。よって、Bはアが正解。

 

残ったCは、消去法でウに決定する。正解は③となる。

 

余談:大問3問1の出題意図

なぜ、高速道路や主な鉄道が書かれている地図と、建物の写真が提示されたのか考えてみよう。高速道路や主な鉄道の分布からそれぞれの地点の発展度合いを読み取らせ、写真に写る建物の階層の違いからそれぞれの地点の人口を推理させるためである。つまり、地図と写真から必要な情報を読み取り、読み取った情報をもとに考える力が試されているのだ。『パリが放射環状型の都市で、セーヌ川の中ノ島から発展したという知識』 が必要とされているとは思い難い。

 

大問4問6の詳しい解説 

東進曰く『かなり難しい』。確かに時間のかかる設問ではある。だが実際には、植民地に関する基本的知識はあるか、世界地図をどれだけ正確に覚えているかが問われているに過ぎない。アルジェリアの宗主国はフランス、コロンビアの宗主国はスペイン、でまず二択に絞れる。普通は近くの国で新たに国籍取得するはずなので、イタリアに近い国を探せばいい。モロッコはアフリカの国だからイタリアの方が近く、グルジアやウクライナはロシアに近いからギリシャの方が近い。よって②が正解。

 

余談だが、モロッコは去年のサッカーW杯出場国であり、ウクライナはロシアと領土問題を抱えている国であると知っていれば解答はさらに簡単になる。どちらも、ニュースをよく見ていれば常識である。つまり、センター地理ではニュースをどれだけ見ているかが暗に問われているのである。

 

おまけ:その他の難問の解説

大問1:問1は、砂漠地帯アフリカで「腐食」はおかしいと気付ければ正解できる。

大問2:問6は各予備校で難問とされたが、実は小学校レベルの地理で解答可能である。喫茶店は大都市圏に多いと推測できるからウ。水産食料製造業は有名な漁港周辺に多いと推測できるから、気仙沼の宮城県、銚子の千葉県、焼津の静岡県などで円が大きくなっているイ。

大問5:問5は、東進曰く「昨年のムーミン問題を思い出させる。」。地理的に近い場所では、使われる文字も似ているはずと推測すればいい。ウズベキスタンが西アジア、ウクライナがヨーロッパにあると分かっていれば正しい写真を選べる。