アラサー高学歴ニートの軌跡

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【補講】ドナルド・カーン教授の英語講座を実況中継

僕の通う東雲大学文学部には、ドナルド・カーンという名物教授がいる。今日はドナルド教授の補講です。前回に引き続き、英和辞書の面白さを存分に語ってくれました。

 注:この物語はフィクションです。今回から学生たちの反応など余計な部分をカットし、教授のセリフだけをお届けします。(2019年2月16日修正)

 

「今日も、皆さんに辞書を読む楽しみを教えようと思う。」

 

「monkeyという単語は皆さんにもお馴染みだろう。猿。冬の温泉に浸かってたり、サル山を形成してたりするあの猿を指す単語だ。猿真似とか、サルという蔑みを込めたあだ名があったり、サルでも分かるとか、日本においてとかくサルは馬鹿にされがちだ。そして同じく、英語圏でも馬鹿にされがちだ。monkeyの意味には、イタズラ小僧とか、麻薬中毒がある。自動詞だとイタズラをする、いじくる、もてあそぶ、ふざける。日本でもサルはイタズラ好きなイメージがあるが、英語圏にもそういうイメージがあるようだね。英語だと麻薬中毒という意味もあるけど、欧米人にはサルが狂った動物のように見えているらしいね。サルは進化論によると人類の祖先と言われているけど、キリスト教は進化論を否定している。キリスト教にとってサルは進化論の象徴なのだろう。進化論の象徴であるサルに麻薬中毒者という意味を与えたのは、異教徒を非人間と見なす古いキリスト教の考えが根底にあったからでは、とも思えてくるよ。」

 

「offは日本では、休日や割引、スイッチのオフという意味で使われている。もちろん、英語にも同様の意味はある。しかし英語では、離れて、外れて、という意味がメインだ。ちなみに品詞は、副詞や前置詞ね。

 

辞書をざっと眺めると、だいたいどの意味も「本来の状態から離れる」というoffの本質から誕生したような印象だね。例えば、形容詞での、腐った、季節外れの、遠い方の、とか。面白いのは、他動詞で「〜を殺す」という意味もあることだね。killだとあまりにもあからさまだから、婉曲的に表現したい時にもってこいやな。「本来在るはずの人を殺す」ととらえれば、「本来の状態から離れる」というoffの本質にもぴったり一致するのも面白い。」

 

「nightは夜。優秀な皆さんでなくても、常識だな。英和辞書での第一語義も、夜だ。面白いのは、英単語のnightには「無知」という意味もあることだ。日本語でいう、暗愚に通じるモノがあるね。ちなみに、enlightenment(啓蒙)という単語は、無知つまり暗い頭を光によって明るくしてやろう、という皮肉が感じられて味わい深い。nightには「暗黒時代」という意味もあって、夜に対して風情を感じがちな日本と夜を怖くて嫌だと感じがちな英語圏、双方の考え方の違いが浮き彫りになってて非常に興味をそそられるね。」

 

「それでは、今日はここまで。Let's call it a day.」

 

 

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