アラサー高学歴ニートの軌跡

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【各予備校で解答が割れた問の検証】2019早稲田大学解答速報 スポ科編

スポーツ科学部の国語では、東進を除き各予備校の解答速報は同じでした。ちなみに大問一問七、大問二問八B、大問二問十で東進だけが独自の解答をしていました。(2019年2月18日修正)

今年のスポーツ科学部では、東進を除く各予備校で解答が全て一致しました。東進は漢字問題を含め三つも間違えていたため、解答速報担当者の疲労は相当なものと予想されます。

 

目次

大問一問七の検証

 

大問一問七は、いわゆる内容一致問題でした。本文の趣旨が分かっていれば簡単に解ける問題であり、平均点の高さを考えると絶対に正解すべき問題です。

 

ロを正解としたのは、河合塾、代ゼミ、早稲田予備校、慶早進学塾。

ハを正解としたのは、東進。

 

異常事態です。他の予備校は揃ってロを正解としているのに、東進だけがハを選択していました。

 

ロを正解とする根拠

 

もはや解説するのも馬鹿馬鹿しいのですが、一応ロを正解とする根拠を示しておきます。ロの前半「これまで〜自然景観の美」は、本文最初の段落の「元来日本人〜見あたらない」と合致します。ロの後半「近代の〜している」は、本文最初の段落の最後の文「かかる〜教えたのである」及び引用文直後の段落の最初の文と合致します。

 

ちなみに、ロの「近代の翻訳文学」は本文の「ツルゲーネフが書いて二葉亭が訳した「あいびき」という短編」を指します。ツルゲーネフが何時代の人物か分からなくても、二葉亭(四迷)が明治時代(近代)の人物であることはさすがに常識でしょう。ここから余談。「あいびき」が発表されたのは1888年で、もちろん近代です。(厳密に言うと、日本における近代とは一般的に「明治時代〜第二次世界大戦まで」です。ちなみに、西洋における近代を最も短く定義すると「フランス革命〜第一次世界大戦まで」です。)

 

ハが不正解である根拠

 

天下の東進だけがハを正解としているので、一応解説します。ハの「古典文学」「和歌の自然観のすばらしさ」は本文に一切書かれておらず、近代的観点についても本文に一切説明がありません。よって、不正解です。近代的観点というよりむしろ、視聴覚を中心とした感覚的観点と言った方が適切でしょう。

 

大問二問八Bの検証

 

大問二問八Bは、「結節」及び「節足動物」という単語を知っているかどうかを問う設問です。いわゆる漢字問題なので、当然正解しなければなりません。

 

ロを正解としたのは、東進。

ニを正解としたのは、河合塾、代ゼミ、早稲田予備校、慶早進学塾。

 

東進さん、どうかなさったんですか。内容把握問題で間違えるならまだしも、漢字(それも常識レベル) を間違えるのは前代未聞です。おそらく、解答速報担当者が一人だけで、しかも極限の疲労状態にあるため、正常な判断能力に欠ける状態だったのでしょう。ちなみに、「結接」という語は日本語にはありません。

 

大問二問十の検証

 

大問二問十は空欄補充問題です。空欄前後の読解及び空欄前の内容把握が求められています。

 

イを正解としたのは、河合塾、代ゼミ、早稲田予備校、慶早進学塾。

ニを正解としたのは、東進。

 

 

わざわざ問題を解かずとも、出典を見れば正解は分かります。それでも間違えるあたり、東進の労働環境は。

 

イが正解となる根拠

 

空欄直後に「空欄cの中では、過程を省略しようとする志向が働く」とあります。過程の省略は資本主義の特徴なので、空欄cには資本主義(または同じ意味の語句)が入ります。第二段落中ほどに『資本主義は、できるだけ早く目的を現在に回収しようとする運動である。』と資本主義と同じ意味が書かれた記述があります。よって、イが正解です。

 

ニが不正解となる根拠

 

ニは不正解ですが、確かに少々紛らわしいです。ニの「時間を商品化」は、第二段落終わりの方で『加速化は時間の商品化を代償にして進められる』で出てきます。ここでの「加速化」は、空欄c直後の「過程を省略する」と同じです。すなわち、第二段落終わりでは「過程の省略は時間の商品化を代償にして進められる。」と述べられています。ここで空欄cにニを入れてみると、時間を商品化しようとする思惑の中で過程を省略しようとする志向が働く、となり第二段落終わりの記述と食い違ってしまいます。よって、ニは不正解となります。